腫れも少なくなり次は時間の短縮です。
1986年のSMAS三角弁法に組織糊、十分私の当初の目的は得られたのですが、フェイスリフト手術は満足すべき結果が出ているにも関わらず、
何かもっと改善するところは無いかと海外の雑誌や学会に出席しては新しい方法を模索し続けました。
ここまでくると美容外科医もフェイスリフトのチャレンジャーの境地に入ってきたようです。
2001年Dr.D.C.Bakerが報告したLateral Smasectomyは眉毛の外側点と下顎角(エラ)を結ぶ線までを皮膚剥離の線として,そこから先はSMASの深い層を剥離する方法です。
どこかで聞いたことがあるなと思ったら1986年私の米国美容外科学会での対抗馬だったカナダの大学教授の発表によく似た術式でした。
顔面神経が3本走行しているとても難しい剥離の場所です。(ここが私が1番になった ポイントでした) しかし口角の外側の膨らみを改善するには必要な剥離です

しかしなれると時間的20-30分短時間して行うことが出来る手術でもあります

皮膚剥離は通常通りですが、今までの様にSMASを徐々に剥離するのではなく、咬筋(ものを咬む筋肉)の最外側部位からSMASをつまんで切除量を決めてイラストの如くS状に切除する方法です(ここが時間短縮する部分です)。
S状の前縁から口唇部には顔面神経や顔面動静脈があり、なれないと剥離が非常に難しいが、マリオネットライン、法令線などを改善するには安全な方法で剥離をする必要があります。
しかしなれると効果的でもあり時間が短縮できた。又下のイラストの様にSMASを100%切除せずに下半分を残し有茎弁(血管をつないだまま)として頬の膨隆を出す方法も可能です


上は術前,下は術後8か月目の正面斜め状態です
顔下がV-Shapeに細くなり頬が膨らんでいます
しばらくは三角弁法からこの方式に変えて続けました。
記事監修医師プロフィール

サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医
白壁 聖亜
経歴
- 2007帝京大学医学部 卒業
- 2010湘南鎌倉総合病院形成美容外科勤務
- 2019シロノクリニック非常勤勤務
- 2020サフォクリニック理事就任
- 2022サフォクリニック副院長就任
所属学会・資格
- 日本形成外科学会専門医
- 日本形成外科学会会員
- 日本美容外科学会(JSAPS)会員
- 国際美容外科学会(ISAPS)会員
- 日本レーザー医学会会員

