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日本の隆鼻術の歴史

眼の歴史を話しましたので今回は日本の美容外科手術の「二重の手術」の双璧と言われる「鼻の手術」の歴史についてお話します。

前回最後にアジアではダントツに歴史のある日本の美容外科と締めくくりました
鼻の歴史も古いです
18世紀の江戸時代に日本には「入鼻屋」さんがありました。

木で作った鼻ですが、昔のことですので梅毒などの病気で鼻を失った方が美容目的だけではなく、年を取ると眼鏡をかけるためにも鼻が必要だったそうです。

木を削ってオーダーメイドの木製の鼻を作り、貼り付けて用いました。
入鼻屋と称してかなり繁盛していたそうです。又かなり高額だったとのことです。
江戸時代の入鼻屋

実は西洋にも「鼻屋」がありました。ヨーロッパでは決闘で鼻をそぎ落とされたひとが「鼻屋」でメタルの鼻を作ってもらったそうです。

有名な話として1566年 当時デンマークの有名な天文学者であるTycho Braheは仕事上のライバルと口論の末、決闘をして鼻をそぎ落とされました。

幸いにも鼻尖部は残ったので、彼はメタル製のつけ鼻を作り使用しました。写真の鼻背部です。

日本は木製、西洋はメタル製 らしいと思いませんか。

さてこのような取り外し自由な鼻ではなく固定された鼻として、特にアジア人のような低い鼻をたかくする隆鼻術としては、1918年ドイツではDr.J.Josephが象牙を用いた隆鼻術を行い。
1918年 Joseph象牙による隆鼻術術前術後 写真とレントゲン

日本では西端驥一が1928年に象牙を用いて隆鼻術を行っています。
西端驥一左術前、右術後 新橋の芸者さん

Josephの象牙はピアノの象牙の鍵盤を用いたと言われています。
西端は三味線の象牙のバチから採取したそうです。

東西の医師が楽器から採取したのも面白いですね。

さらに西端は論文の中にシャムの象牙は硬くてよいが、インドの象牙はもろくて不適であると記載しています。

本当はこの西端の前に1900年代初頭日本でもパラフィンを注入で隆鼻術を行っていましたが、夏になると高温でパラフィンが溶けて変形するなどの副作用があり消滅していました。
パラフィン注入

そしてこの象牙の後に様々な材料が出ましたが最後には医療用シリコンが現在でも用いられています。日本ではこの隆鼻術もすでに90年以上の歴史があります。

記事監修医師プロフィール

サフォクリニック副院長/美容外科美容皮膚科医

白壁 聖亜

経歴

  • 2007帝京大学医学部 卒業
  • 2010湘南鎌倉総合病院形成美容外科勤務
  • 2019シロノクリニック非常勤勤務
  • 2020サフォクリニック理事就任
  • 2022サフォクリニック副院長就任

所属学会・資格

  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本形成外科学会会員
  • 日本美容外科学会(JSAPS)会員
  • 国際美容外科学会(ISAPS)会員
  • 日本レーザー医学会会員

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